半沢ロス、大和田ロスなどと最終回を迎える前から取り沙汰されてますが、コロナ禍で多くの楽しみを奪われてますから、数少ない楽しみを失う事が今から怖いんですね。私もその一人です。 勧善懲悪、水戸黄門的痛快さは今も昔も人の心を掴むようです。 主人公半沢は「顧客第一主義」を唱え、宿敵達は顧客より如何に自分が出世するか、その為には白を黒と言い、上役にゴマを擦ることが最優先されるという、大手系企業が持つ「宿命」を面白おかしく誇張して描かれてます。多くのサラリーマンの方は、ここまで酷くないとしても、このドラマに近い経験はあると思います。 自分が顧客となった場合、結果的に「大手」を選んでしまいます。自分(顧客)より会社や上司の為に仕事しなければならない実態があるとしても、こちらに直接的に被害は及ばないだろうし、「大手」なんだからそこまでの間違いはないだろうと。 「かんぽの不適切営業問題」とか発覚してましたが、このように表に出てくるケースは稀で、リークがなければ「大手」という信頼の中に埋もれていた筈です。 話は変わって総理大臣が辞意表明されました。本当にお疲れ様でした。外交面で掲げた施策は成就しなかったケースが多いでしょうが、他の誰かが総理だったとしても、とてもじゃないけど成就していた筈はありません。どの国も強者揃いというか、お化け屋敷というか、妖怪のような相手(言い過ぎ)に、非常に忍耐強かったと思います。政治は結果が全てと言いますが、本当の結果は半世紀後でなければ判断できないとも言いますからね。お疲れ様でした。 TVでは、誰が次期総理になるのか?ということではなく、菅さんに決まってはいるが、その後の解散の有無とかスケジュール、みたいなことになっています。 官房長官という職種が特殊なのか、菅さんの主義主張を知っている人、少ないんじゃないでしょうか。出馬表明は、「地方」の農家で生まれてからの生い立ちのスピーチでした。初めて本人の「言葉」を聞いたような気がして、少し私の心も靡かされました。(田舎者ですから) 高度成長期、同じように都会に出てきて働いた世代の方たちは、この世襲議員ではない例外的な総理候補のスピーチに少なからずシンパシーを感じたのではないでしょうか。 坂田三吉物語の時代から、叩き上げサクセスストーリーも「勧善懲悪」同様に日本人は大好きです。 「大手」とか「世襲(家柄)」のルールに諦めている日常を、ドラマの中だけでも、ひっくり返してくれるからです。 |